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Amazonのスポンサープロダクト広告はクリエイティブを用意することなく運用が始められ、ユーザーの目につきやすいところに広告が掲載されるため、出品者は商品を幅広くユーザーに知らせ、売り上げの拡大を図ることができる。また商品に適した検索キーワードをAmazonが自動的に選定する設定があり、運用の知識がない出品者も安心して運用が可能だ。

ここでは、スポンサープロダクト広告の概要やメリット、運用のコツを紹介する。

事前に確認すべき注意事項:スポンサープロダクトは「大口出品」のみ

Amazonは出品者に対して、大口出品サービスと小口出品サービスの二つのプランを用意しているが、スポンサープロダクト広告を掲載できるのは大口出品サービスを利用する出品者に限られることに注意が必要だ。小口出品ではそもそもスポンサープロダクト広告を利用できない。

大口出品サービスと小口出品サービスには月額のコストや決済方法などの違いがあるが、大口出品サービスは出品数やカテゴリーが無制限で、ユーザーの動向を知ることができるデータ分析レポートが利用可能。また、配送や支払い方法などでもフレキシブルな対応ができるなどメリットが多い。

スポンサープロダクト広告の広告費は、ユーザーが広告をクリックした場合に発生し、月額の固定費はない。予算を設定してクリック単価を選択することで、支払う金額がコントロールができる。

ただし、広告掲載の対象となるのは、価格、在庫状況、配送、カスタマーサービスなどで一定のパフォーマンスを維持することで付与されるショッピングカートボックスを、出品者が獲得している場合のみとなることに留意しておきたい。また、中古商品も記事執筆時点では対象外となっている。

スポンサープロダクト広告出稿のメリット

スポンサープロダクト広告の出稿のメリットを見てみよう。

まずは、商品へのアクセス向上と売上の増加を実現することが可能になることだ。

Amazonへの出品をはじめた直後にはアクセスは期待できない。Amazonでは一つの商品ページで他の出品者と一緒に販売をする形となるため、競合との間で埋没してしまう可能性が高い。

しかしスポンサープロダクト広告に出稿すると、ユーザーの75%が商品探しに使用する検索ボックスからの検索結果の1ページ目と、商品詳細ページに出品者の広告が表示されるため、類似の商品を検索しているユーザーに注目されやすく、アクセス数の増加や購買率の向上が期待できる。

また、広告の審査がなく、掲載したいと決めてからすぐに出稿ができる、つまり早く売り上げを増やすチャンスを手に入れることができるのも大きなメリットだ。スポンサープロダクト広告では商品情報がクリエイティブになるため、Amazonに出品が認められた時点で広告審査も終了していることになるからだ。

そして各種の分析レポートが無料で利用できることも大きな魅力だ。

レポートには商品詳細ページの閲覧数、商品の売上など詳細な効果測定の指標が含まれ、Amazon内外での広告キャンペーンの効果が測定されるなど出品者にとって役立つ情報を得ることができる。

そのほか、Amazonのプロダクト広告で指摘されるのは最低出稿金額が1クリックあたり2円と他のサービスと比較しても安価なことなどから、ROAS(Return On Advertising Spend=広告費に対する広告経由の売上高の割合)が高いことだ。

まとめると以下がメリットと言える。

  • 商品へのアクセス向上と売上の増加
  • 掲載したいと決めてからすぐに出稿が可能
  • 分析レポートが無料で利用できる

では続いてスポンサープロダクト広告の詳細を紹介しよう。

初めての運用はオートターゲティングから開始しよう

大口出品サービスを選択すると、出品者は出品管理ツール「セラーセントラル」で広告を掲載したい商品の選択、検索キーワード、1回のクリックに対する費用の上限額(入札額)などを自身で設定することができる。広告はオークション形式で、オークションで「勝った」広告がAmazonの検索結果画面と商品詳細ページに掲載される。

Amazonに登録している出品者の商品情報から広告は自動で生成されるため、クリエイティブの作成は不要だ。

では実際の広告設定や運用はどのように行えば良いのだろうか。

スポンサープロダクト広告では、「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」の2種類のターゲティング設定が用意されている。

オートターゲティングは、商品に適した検索キーワードをAmazonが自動的に選定するもので、そのキーワードが検索されたときに広告が表示される。

一方、マニュアルターゲティングは出品者が自身でキーワードなどを設定するものだ。

一般的には設定や運用が容易なオートターゲティングから始めることが良いとされている。

その理由は

  • 運用スキルがいらない
  • キーワード候補がわかる

といった点が大きいためだ。

運用スキルがいらない

アニュアルターゲティングの運用ではキーワードだけでなく、さまざまな設定を出品者自らが行う必要があるが、オートターゲティングの運用では特別なスキルは不要で、「1日の予算」と「商品」、そして「入札額」を設定すれば、Amazonのシステムによりキーワードの選定、ASIN(Amazonでの商品の識別番号)の設定、ROAS(Return On Advertising Spend=広告費に対する広告経由の売上高の割合)の最適化が自動的に行われるからだ。

キーワード候補がわかる

キャンペーン開始後に検索キーワードごと、ASINごとにデータが取得可能だ。

購入に繋がっているキーワードがあればマニュアルターゲティングなどに変更してさらに広く出稿できる。

オートターゲティングのキャンペーン設定方法

オートターゲティングのキャンペーンを設定するには、セラーセントラル画面の「広告」タブから「広告キャンペーンマネージャー」をクリックし、「キャンペーンを作成する」をクリックすることで登録できる。

スポンサープロダクト広告を選択し「続ける」をクリックすると、下記のようなキャンペーン作成画面が表示される。

キャンペーン名は外部からは見えないので任意の名前を入力する。そして開始日と終了日を入力するが、ここは途中で延長も可能なので、例えば開始日は2日後として、終了日を3週間に設定する。設定が完了した時点で、開始日を当日に差し替えることも可能だ。1日の予算は自分が投資できる金額と相談となるが、後に変更が可能なため、とりあえずの金額を仮に置いておくと良い。そして最後にオートターゲティングを選択すれば、キーワードやASINの選定、ROASの最適化は自動で行われる。

オートターゲティングの注意事項

オートターゲティングはAmazonにお任せなので運用管理が容易だが、反面、キーワードごとの細かいターゲット設定ができないというデメリットもある。また、Amazonが設定したキーワードが一律で配信されるため、特定のキーワードに寄せて入札額を高くすると言った調整もできない。そのためある程度経験を重ねた後に、マニュアルターゲティングによる、キーワードを絞り込んで運用することも視野に入れておきたい。

広告出稿後の検証も忘れずに

前述したとおり、広告を出稿する出品者に向けては各種の分析レポートが無料で提供され、セラーセントラルで確認することができる。マーケティングの効果が正確に測定され、その結果を詳細に見ることができる。

例えば検索キーワードレポートではユーザーが実際に入力した検索ワードのうち、広告のクリックにつながったものを知ることができる。こうしたレポートにより一定期間のパフォーマンスを確認することで広告戦略を検証し、より良いものにしていくことが可能となる。そのため広告出稿後のしっかりとした検証も必要だ。

大きな効果が期待できるスポンサープロダクト広告の運用で、売り上げの増加を引き出していきたい。

まとめ

Amazonのスポンサープロダクト広告は、ユーザーの目を引く場所に掲載されるため競合との差別化ができるため、出品者の商品情報へのアクセス増と購買率の上昇に寄与するものとなる。

まずは、運用について特別なスキルを持っていなくても、スポンサープロダクト広告が始められる「オートターゲティング」を利用して売り上げの拡大を目指していきたい。